フィアット・クライスラーとパートナー関係を築き、軽量化、ならびに工程と素材の性能の向上を目指すヘンケル

ヘンケルとフィアット・クライスラー(FCA)は、アルファロメオ・ジュリアの最新モデルに適用される画期的な新しい処理工程を開発するため、緊密な協力関係を築くことについて話し合いました。

両社は、6月29日から30日にかけてフランスのカンヌで開催された自動車ボディの仕上げに関する国際会議、Surcar 2017において共に演壇に立ちました。FCAとヘンケルは、およそ3年間にわたり、FCA独自のニーズを満たすための素材とシステムをヘンケルが開発することを目指して協力しました。

自動車ボディの軽量化は、自動車車体工程と塗装工程に大きな変化をもたらしています。混合鋼材やより軽量の金属材、たとえばアルミニウム材を採用してより軽量の自動車ボディを製造した場合、表面処理には新しいアプローチが求められることになります。この新しい工程により、自動車メーカーは、より軽量の金属製構造物を採用するだけでなく、以前よりも軽量な表面処理製品を使用するようになっています。新しい材料とそれを適用する技術が登場するにつれ、工程と手順は大きく変貌を遂げています。

Surcarで、FCA Materials Engineering Paint社のロベルト・セルヴェストレル(Roberto Selvestrel)とヘンケルのトランスプラントOEM事業部門、販売責任者、マンフレッド・ホルツミュラー(Manfred Holzmueller)は、ボディ工学、工程と材料の工学、ならびに工程の素材のサプライヤーの間の緊密な連携を通して創出され、新しいモデルのジュリアに適用された新しい金属処理システムを使用して得られた成果について意見を交換しました。彼らは、最先端の様々な金属前処理技術、ならびに自動車車体および塗装工程における防音、構造、シーリング、およびコーティングの技術を投入した包括的なアプローチについて分かりやすく説明しました。

新しいモデルのジュリアは、ボディの重量が、従来の鋼製ボディよりも90 kg抑えられています。この軽量化は、軽金属に併せて新しい工程の素材と応用技術を採用することで成し遂げられています。軽量化を図り、性能を向上させるため、FCAはアルミニウム材を採用しており、自動車のボディの45%はこの素材で作られています。また、画期的な防音技術を採用し、搭乗者の快適性が高まると同時に、さらなる軽量化を実現しています。

前処理工程

ボンデライト(BONDERITE)®の2段階から成る金属の前処理工程は、アルミニウムの含有率が高い(最大80%)異種金属のボディに向けてヘンケルが開発したもので、優れた耐食性を発揮すると同時に投資コストと処理コストを削減します。最初の段階の浸漬コーティングでリン酸亜鉛を使用し、鋼材を処理し、次に後洗浄でアルミニウム処理を行います。

アルミニウムは、リン酸塩処理鋼材に通常使用される酸による浸食を受ける可能性があるため、処理の工程にバランスを見出す必要があると、ホルツミュラーは語ります。耐食性能はトリカチオンタイプのリン酸亜鉛皮膜処理を行ったものと同等ですが、ボンデライト(BONDERITE)®の工程であればスラッジの発生量が30%~50%低く、化学薬品の消費量もより少なく、再加工を必要とする表面粗さの発生が少なくなっています。動作温度がより低いことは、エネルギーの節約にもつながります。

騒音の発生を防止

アルファロメオ・ジュリアは、ヘンケルのテロソン(TEROSON)®高膨張ピラーフィラーによる恩恵を受けています。これらの鋳造物は、自動車車体工程での組立作業において自動車ボディ、たとえばAピラーの空洞に挿入される特殊な起泡性のあるエラストマーで作られています。ボディがeコーティングオーブンを通り抜けるとき、高温が鋳造物を10倍の大きさになるまで膨張させて、空洞を埋め、密閉します。これにより、自動車の走行中に空気が空洞に入りこむのが防止されるほか、風による音の発生も防がれます。

自動車ボディに適用される第二のテロソン(TEROSON)®の製品、テロソン(TEROSON)®AL7154は、噴霧で塗布される液状の水性アクリル液体塗布型制振材(LASD)です。これは、ボディシェルの振動によって車内に引き起こされる騒音を軽減するためにヘンケルが開発したものです。FCAで行われた徹底した試験の中で、この製品はすべての候補となる製品の中でも卓越した損失率(防音特性の測定単位)を発揮しました。アルファロメオ・ジュリアに採用されたテロソン(TEROSON)®AL7154の総重量は、防音レベルがより低い標準的なビチューメン製のパッドよりも10%以上も抑えられています。この新しいLASDにはさらに、人間の手が全く介在することなくロボットを使って塗布することができるという利点もあります。このことは、コスト面だけでなく、人体の健康や安全性に関しても重要な意味があります。

アルファロメオ・ジュリアは、テロソン(TEROSON)®AL7154の使用により恩恵を受けた最初の車となりました。イタリア、カッシーノの同じ製造ラインでFCAが生産している他の2つの車種、すなわち同社が初めて開発したSUVであるステルヴィオ、ならびに既存のジュリエッタ(ランニングチェンジ中)にも、その後同製品が採用されています。

全面的にロボットを使用してジュリアへ塗布するために、テロソン(TEROSON)® PV3414という製品も開発されました。これは、新しい内装・外装向けシームシール剤で、手作業で塗布する外装および内装向けシール剤という2つの異なるのシール剤に置き換えられるものです。この製品は、迅速に塗布することが可能で、優れたシーリング効果と仕上がりで、滴が発生しにくく、手作業による塗布の必要性もほとんどありません。アルファロメオはまた、PVCプラスチゾルに基づくこのシステムを最初に採用した企業です。

ホルツミュラーの見解:カッシーノに存在するこの新しい塗装工程は、FCAの自動車の品質に大胆な変革をもたらしています。この会社は現在、最も近代的な塗装工程技術をハイクラスの車両の生産のために採用しています。私たちは、ヘンケルが抱く革新的な考え方が新しいジュリアに明確に反映されていると思っています。私たちは、より軽量の金属材を採用することで軽量化を推進しており、完全に自動化された塗布システムを使用することでお客様がコストの削減のサステナビリティの向上に取り組みやすい条件を整え、さらに工程の間におけるスラッジや重ね塗りを回避することでムダの削減にも取り組んでいます。

また、私たちは洗浄やメンテナンス頻度の低減にも力を注いでいます。FCAは、新しいアルファロメオ・ジュリアに向けて数々の新しい技術と工程を同時に実装することで、大きな前進を遂げました。私たち2社の間のとても緊密で集中的な協力関係は欠かせませんでした。そして私は、そのような協力関係があのような美しく新しい車として実を結んだことを大変に嬉しく思っています。ボンデライト(BONDERITE)®とテロソン(TEROSON)®は、ヘンケルおよび(または)ドイツおよびその他の国々におけるその関連会社の登録商標です。

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