Mapalが、ヘンケルの持続可能な ボンデライト(BONDERITE)® DuaLCys 工程を金属加工に採用

潤滑油と洗浄剤を相乗効果で、コストを削減し、環境により配慮することができます。

Mapal Dr. Kress KGは、革新的なヘンケルの ボンデライト(BONDERITE)® duaLCys工程を金属の切削に採用し、鉱業で使用される掘削ヘッドのための特殊な工具を生産しています。水混和性の潤滑油と水性の洗浄剤を組み合わせて相乗効果を得ることで、性能が著しく高まり、その一方でエネルギーと水の消費量が抑えられます。このプロセスは、2社の緊密な連携により、本用途のために開発されたものです。

これまで数十年にわたり、ヘンケルは金属加工業界における価値の創出に多大な貢献を果たしてきました。2015年に上市した ボンデライト(BONDERITE)®  duaLCysで金属の切削と洗浄を行うプロセスにより、ヘンケルは水溶性潤滑油の分野ですでに有していた強い存在感をさらに高める結果となりました。Mapalでは、この革新的な技術を導入することで、時間、消耗品、ならびにエネルギー量や廃棄作業といった重要な面を改善し、自社製品の品質と工程の信頼性を高めるに至っています。

私たちは、ヘンケルと長年にわたり良好な協力関係を維持しています。私たちは、新しい ボンデライト(BONDERITE)®  dualCysをはじめて特殊工具の機械加工のために導入しました。これらの工具は、オーストラリアの最終顧客が鉱業のための掘削ヘッドを製作するために使用します。コンポーネントには200個に及ぶ穴が存在し、それらの中に硬化鋼製のピンを挿入し、接着接合により固定します。通常、切削作業の間に使用される潤滑油は、溶剤を使用し後で穴に入ったものを除去しなければなりません。ボンデライト(BONDERITE)®  dualCysのプロセスならば必要になるのは、圧縮空気を穴に吹き付けることだけであると、アーレンに拠点を置くMapal Dr. Kress KGの研究開発部門に所属するアンドレアス・ローテンベルガーは語ります。

主な課題

ほぼあらゆる材料の機械加工を行える精密工具の世界的な大手メーカーとして、Mapal Dr. Kress KGは自動車・航空宇宙などの有名企業、ならびに機械・装置類のメーカーに製品とサービスを供給しています。製造と営業の拠点、ならびにサービス・パートナーを世界44ヶ国に擁しています。2016年の時点で、Mapal Dr. Kress KGの従業員数は5,000人を数えました。

金属加工マーケットは、し烈な競争が繰り広げられる環境において一連のトレンドや課題により、成功が左右される特徴的な市場でした。金属切削の分野での課題は、加工コスト、作業条件、サステナビリティ、使用される消耗品と工程そのものなどがありました。

私たちのお客様の多くは、作業環境の清浄さを求め、機械加工後の部品洗浄が製造作業の妨げにならないように、またそれが容易に行えることを期待していると、ヘンケルの潤滑油プロジェクトマネージャーであるJürgen Schöllkopfは語っています。ここで、潤滑油の特性が特に重要となってくるのです。潤滑油は切削作業の際に高い潤滑性をもたらし、後で部品から容易に除去できるものでなければなりません。

ヘンケルの ボンデライト(BONDERITE)®  duaLCys工程を試験するために、Mapal Dr. Kress KGはアーレンの研究開発部門においてその性能を試し、絶えず変化する部品、機械加工の状況、工程、および材料でどのような性能が発揮されるのかを確かめました。その結果、あらゆる点で完全に納得できる結果が得られました。潤滑油の引きずりが50%も減少し、エマルションの使用量が減っただけでなく、洗浄槽をより低温で使用することができるようになったことでエネルギーの消費コストも削減できました。同時に、私たちは、以前よりも迅速に、完全に清浄な部品を得ることができるようになっています。もちろん、精度の再現性も高いです。

実際の利点

ボンデライト(BONDERITE)®  duaLCysは、切削液である ボンデライト(BONDERITE)®  L-MR 21466の利点と中性洗浄剤である ボンデライト(BONDERITE)®  C-NE 10466の利点を併せ持っています。水溶性の潤滑油はとても微細に分散する殺菌剤不使用でホウ素フリーの製品で、高い潤滑性と優れた洗浄特性を備え、切削工程の間に予洗いのような作用をもたらします。ミセル(エマルジョンのつぶ)は、従来的な粗く分散した潤滑油の1/5から1/10の大きさであり、正確に調整が可能です。この洗浄剤は常温での効果がすでに明らかになっており(推奨される使用温度は45℃)、一般的に使用されているスプレーやディップの用途に適し、油を除去するためのホウ素やホルムアルデヒドの添加剤を必要としません。

さらなる利点:従来の工程のように洗浄槽の液を処分する必要がなく、洗浄槽の液を潤滑油の性質に何ら悪影響を及ぼさないクーラントとしてリサイクルすることが可能です。ボンデライト(BONDERITE)®  duaLCys工程を形成するコンポーネントはすべて、一般的な硬度の水で安定した、予測可能な発泡性を示します。

アルミニウム、アルミニウム合金、チタン化合物、灰鋳鉄、合金鋼など、多くの鉄系材料と非鉄金属との使用に適しており、優れた腐食保護性をもたらします。Mapal Dr. Kress KGでは、このプロセスがアルミニウム材やチタン材のファイリングのための理想的なソリューションであることが実証されています。

機械加工した表面は、従来の工程と比較してはるかに乾燥しており、付着している油も少ないので、潤滑油の引きずりも少ないです。その結果、エマルジョンの一般的な注ぎ足し率は2.0%から0.4%に減少します。これは、追加率(%)が基準量よりも最大2/3低いということになります。さらに、この工程は機械類をより清潔に、かつ乾燥した状態に維持するのに役立ちます。洗浄作業を徹底的に行うと、コンベア上で発生する金属の削りくずが従来の工程の場合と比較してより乾燥したものとなります。これにより、サステナビリティに大きく貢献しながら廃棄コストを低減することができます。

迅速な投資コスト回収

素早く実装でき、コスト効果の高い従来のシステムを代替するシステムとして、ボンデライト(BONDERITE)®  duaLCysの工程は、既存の装置に変更を加えることなく、追加の投資を行うことなく使用することができます。このため、費用回収も極めて迅速に実現します。

全体的に見て、ボンデライト(BONDERITE)®  duaLCysの工程への切り替えは、最大40%のコスト節約に結びつくと、Schöllkopfは語ります。私たちは、お客様固有のパラメーターを入力すればこのプロセスを採用して得られる経済的な利点を定量化できる評価計算式も提供します。お客様は一目見ただけで、どのくらい節約ができるのか把握することができます。

ボンデライト(BONDERITE)®  duaLCysは、ヘンケルが鋳造から機械加工、組立までバリューチェーン全体にわたる金属加工に向けてご用意した包括的な工程ソリューションの一部です。たとえばMapal Dr. Kress KGは、鋼製ピン類を鉱業向け掘削ヘッドの特殊工具に接合するためにヘンケルの ロックタイト(LOCTITE)®製品群も採用しています。

アンドレアス・ローテンベルガーによる総括:私たちのお客様は、製造作業において再加工の必要性をできるだけ生じさせることなく、効率性と経済性を最大限に達成できる革新的で信頼性の高い提案を期待しています。お客様の技術パートナーとして、私たちが金属切削加工のあらゆる面で必要な専門技能を提供していかなければならないことは明らかです。こうした戦略を追求していく上で、ヘンケルは私たちの大切なパートナーとして、ボンデライト(BONDERITE)®  duaLCysなど、効率性と持続可能性に優れた数々の信頼できるソリューションをもたらしています。

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