焼き付き防止潤滑剤

ボルト、ファスナー、フランジなどのクランプ面や基材が腐食して焼き付く可能性があるところには、その問題を和らげ、分解やメンテナンスを容易にするために、必ず焼き付き防止用潤滑剤が使用されます。LOCTITE^® 焼き付き防止潤滑剤は、幅広い用途と材料に対して優れた性能を発揮します。

高温・高圧の負荷がかかる環境下で、部品や締め具の焼き付きが進む可能性のある用途によく使用される焼き付き防止剤は、一般に組み立て時に塗布され、メンテナンス後の再組み立て時にも再度塗布されます。

これらの重要な化合物は、多くの産業で重要な役割を果たしています。自動車用の部品を組み立てる場合でも、航空宇宙や産業用のより複雑な組み立てに使用される場合でも、高温用焼き付き防止グリースと潤滑剤は、さまざまなシステムの効率的な運用、保守、補修に不可欠です。

ヘンケルの LOCTITE^® 焼き付き防止潤滑剤の製品群は、最も厳しい環境下で優れた性能を発揮します。

ヘンケルの高温用焼き付き防止潤滑剤には、以下の特長があります。

• 高い耐かじり性、耐腐食性、耐焼き付き性
• 酸、アンモニア、アセチレンなどの腐食性化学物質への耐性
• 優れた潤滑性により、簡単に分解することが可能
• 幅広い使用温度範囲
• さまざまな塗布方法で簡単に塗布できる
• 広範囲の金属に対応

当社が提供する焼き付き防止剤について、また、ロックタイト製品に関する業界特有のご質問については、当社の担当者にお問い合わせください。

焼き付き防止剤の種類

焼き付き防止潤滑剤には様々な種類があり、メーカーは用途に応じて最適な製品を選択できます。ステンレス、アルミニウム、チタンなどの様々な種類の素材に最適です。すべての焼き付き防止潤滑剤は高温で効果を発揮し、ブラシ、チューブ、スプレーを使って塗布できます。

銅ベースの焼き付き防止潤滑剤

銅ベースの焼き付き防止潤滑剤は、他の潤滑剤と同様に、金属を錆びや腐食、焼き付きから保護します。銅フレーク、グラファイト、その他の極圧添加剤を含んでいて導電性があり、他の焼き付き防止剤とは異なり、軟質金属を損なうことがありません。

銅の焼き付き防止剤は、スパークプラグのねじ部や接地ねじのほか、ねじ、ナット、パイプ、エキゾーストボルト、ブレーキキャリパーのボルトなど、他の自動車関連用途にも使われています。銅の焼き付き防止ペーストと潤滑剤は、982°C までの非常に高温の環境に耐えることができます。また、ブラシ、チューブ、スティックなど、複数の用途が用意しています。

亜鉛ベースの焼き付き防止潤滑剤

亜鉛ベースの焼き付き防止剤は、主にアルミニウムやアルミニウム合金のねじ部や非ねじ部に使用され、組立・分解時の焼き付きを防ぐとともに、鉄分を含む基材に対しては腐食防止効果を発揮します。LOCTITE^®の亜鉛焼き付き防止剤は、最も厳しい環境下での複雑な機械的アセンブリーの最前線で機能します。

最高使用温度の目安は399℃です。

非金属焼き付き防止潤滑剤

LOCTITE^®非金属焼き付き防止剤は、高塩分・高湿度環境下で使用する場合に幅広い独自のメリットを発揮します。たとえば、これらの材料は、特に海洋用途に適しています。非金属の焼き付き防止剤は、厳しい環境条件下でも金属表面を腐食から守ります。  

カルシウムやグラファイトなどを配合することで、1,315℃ (2,400°F) の耐熱性を持ちながら、低温条件下でも有効な焼き付き防止効果を発揮します。ヘンケルの非金属焼き付き防止製品は、ブラシトップ缶やチューブに入っています。

食品グレードの焼き付き防止剤

食品グレードの焼き付き防止剤は、ホワイトオイルを原料とし、極圧 (EP) 添加剤を含んでいます。当社の食品グレード焼き付き防止潤滑剤は、食品加工機械に使用されるステンレスなどの金属部品の摩擦、焼き付き、かじりを防止するよう設計されています。

ヘンケルの食品グレード焼き付き防止用潤滑剤は、399℃ までの耐熱性を備えているため、幅広い食品加工機械に使用できます。

様々な種類の焼き付き防止用の潤滑剤やグリースの詳細について、今すぐお問い合わせください。

焼き付き防止剤の用途

あらゆる産業で使用される金属基材の多様化であるため、様々な環境下で特定の要求を満たすことができる専用の焼き付き防止剤が必要とされています。一般に、高温用の焼き付き防止剤は、高レベルの摩擦や発熱がある場所で必要とされます。反対に厳しい低温の環境条件では、焼き付き防止用潤滑剤には低温への耐性も求められます。

ステンレス鋼基材

ステンレス鋼の基材は、焼き付きやかじりに関して多くの課題に直面します。ステンレス鋼用の焼き付き防止潤滑剤を使用することで、これらの問題を最小限に抑え、メンテナンスや補修の際の組み立てや分解が容易になります。

しかし、ステンレス鋼用の化合物は数多く存在しますが、銅の焼き付き防止剤をステンレス鋼に使用すると、粒界腐食が発生し、高負荷時に部品の割れや破損の原因となりますのでご注意ください。

チタン基材

チタン用の焼き付き防止剤は、最も要求の厳しい航空宇宙用途をはじめ、非常に軽量な締め具やコネクターが必要とされる分野でよく使用されます。チタンボルト用の焼き付き防止剤は、かじりや腐食を防止するためのもので、通常、これらの分野ではニッケルベースの化合物が非常に効果的です。

その他資料

焼き付き防止潤滑剤やグリースの詳細については、PDF をダウンロードしていただくか、当社の担当者にお問い合わせください。