ドラッグデリバリーポリマー

ヘンケルは、合成高分子化学および天然高分子化学の有力なイノベーターとして世界中に知られています。ヘンケルの革新的な経皮グレード接着剤を使うことで、次のような製剤設計が可能です。

• 反応性の高い薬物を送達するためのプラットフォーム
• 連続使用が可能な製品
• 分散相におけるアクティブローディング
• 吸収促進剤に対する抵抗性
• 規制当局が定める厳しい基準に適合

医薬品産業にとって一貫した品質を確保することは最優先事項です。デリバリーシステムの開発者、医薬品の販売事業者、患者様に対して、確実に貼付して設計通りに薬物を送達できるパッチの実現をお約束します。ヘンケルの製造拠点はISO認証を取得し、International Pharmaceutical Excipient Council（IPEC）のGMPガイドラインに適合しています。

ISO 10993が推奨する無傷皮膚への使用に関する安全性試験など、ヘンケル製品に関する詳しい情報は、米国FDAドラッグマスターファイル（DMF）タイプIVをご覧ください。

ヘンケルのアクリル系接着剤DURO-TAKとGELVAは、長年にわたる皮膚への使用実績と幅広い薬物に対する理想的な溶解性が評価され、多くの経皮ドラッグデリバリーシステムに採用されています。20以上のアクリル共重合体から、お客様の製剤設計に合う化学組成と特性の組み合わせを提供します。一方、溶解性に関しては、DURO-TAK ポリイソブチレン系接着剤およびスチレンゴム系接着剤をお使いいただくことで、製剤設計における選択肢が広がります。新薬に関する多くの課題に対処するために、ヘンケルはお客様の仕様に合わせた接着剤組成の開発も行っています。

期待する効能を得るためには、パッチに適した接着剤を選ぶことが重要です。薬物の流動性、接着剤の担持能力、吸収促進剤に対する抵抗性、デリバリーシステムの安定性、皮膚適合性、接着剤の耐用期間、製品の外観に至るまで、マーケットで成功するためにはいずれも不可欠な要素です。

ヘンケルが独自に開発した生体接着剤PROLOC（プロロック）は、局部やさまざま な吸収部位の粘膜に治療薬を送達することができる優れたテクノロジーです。高い生体接着性と薬剤担持能力を有しながら、粘膜に対して低刺激です。米国薬局方対応のアミロペクチン（ワキシーコーン）とカルボマーを配合した独自のプロセスで製造されます。

PROLOCは錠剤に圧縮成形、粉体として使用、またフィルムに成形することが可能です。複数の臨床試験によって、粘膜や局部に問題なく治療薬を送達できることが確認されています。

• 口腔
  PROLOCは数秒のうちに口腔粘膜に接着して、完全に溶けるまで接合を維持します。裏張りは不要です。高いバイオアベイラビリティを有し、錠剤、フィルムおよび粉体の大きさ、膜形成組成の点で自由度の高い接着剤です。
  
• 眼球
  PROLOCはすぐに眼球粘膜に接着して、完全に溶けるまでそのままの状態を維持します。点眼薬やゲル化する点眼薬と比べて薬剤を長時間持続的に放出でき、また、ガンマ線滅菌に対応しています。
  
• 経鼻
  PROLOC粉末接着剤はすぐに鼻粘膜に付着して、完全に溶けるまでそのままの状態を維持します。高い薬剤担持能力と鼻腔内の十分な滞留時間によって、最大限のバイオアベイラビリティを達成します。
  
• 膣
  PROLOCは数秒のうちに膣粘膜に付着して、完全に溶けるまで数日間付着を維持することが可能です。既存の経口剤や膣用クリーム、ジェルは繰り返し投与が必要で、耐性も十分ではありません。これに対して、PROLOCを用いた経膣投与は安全かつ効率的に期待する全身的効果が得られます。